内装　★★★★★★☆☆☆☆

スバルではこのXVを完全新作だというが、キャビンを見る限りそうとは思えないかもしれない。先代にも見られたいかにも頑丈そうな雰囲気が、新型でも踏襲されているからだ。それはスバルのすべてのモデルに共通するものではないが、このブランドの泥臭さを好む顧客層には刺さるポイントである。また造形的にも、先代モデルと非常に似通っている。それは、走行中にも操作しやすい大ぶりなスイッチ類が健在だということでもあり、質実剛健で頼もしいクルマだと感じさせる源泉となっている要素だ。

マテリアルの質感は、フォルクスワーゲンやセアトあたりのライバルほど高くない。このことは、本格的なオフロード性能を発揮するラフでタフなクロスオーバーとしては些細な問題かもしれないが、街乗りハッチバックの派生車種として考えるなら不利な材料だ。だからといって、このクルマのキャビンが退屈な場所だと言っているのではない。オレンジのステッチが入ったレザーは雰囲気をよくしているし、先代より上級なクルマに思わせてくれる。ただし、カーボン調トリムが万人受けしないのではないか、と感じたことは付け加えておこう。

広さは十分だが、驚くようなものでもない。ホイールベースは、型落ちとなったばかりの4代目フォレスターより25mm長い2665mmあるだけに、後席のレッグルームに不足を覚えることはない。しかし、頭上空間はまた別の話。おまけに座面が高いので、髪が天井に触れないようにするためには前屈みになる必要がある。

ホイールベースがフォレスターに匹敵するとはいえ、全長が4465mmにすぎないため、後席使用時の荷室容量は385ℓにとどまる。これはセアト・アテカの510ℓはもちろん、フォルクスワーゲンT–ロックの445ℓにさえ及ばない。

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