ロードテスト スバルXV ★★★★★★☆☆☆☆

公開 : 2018.07.08 10:10

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★☆☆☆

手応えがあり、速さも適切なステアリングと、やや張り詰め動きの洗練性を見せる低速での乗り心地により、ドライバーがXVに頼もしく自信を持てる、という第一印象を感じる。

路面の大きくない凹凸のいなし方は落ち着いた、プログレッシブで予測しやすいもの。愉快なほど運転しやすいのだが、それは大方の予想通りではないだろうか。シャシーは横グリップやハンドリングの敏捷性を過剰に追求するのではなく、バンプでの安定や減衰の確かさを重視したもの。言い換えるなら、必要な時に十分なオフロード性能を発揮してくれると感じさせるものだ。これはクロスオーバー・ハッチバックの運動性としては珍しく、先代モデル同様、XVの個性だ。この走りをもっとリッチで魅力的にしてくれるエンジンを積んでいれば、シャシーの良さがより際立つのに、と思えてならない。

スバルでは、ボディ剛性を大幅に引き上げ、重心を下げ、クロスオーバー・ハッチバック市場における立ち位置を、このクラスの標準的な運動性能の持ち主とはやや距離を置いたものへと変えたとしている。ただし、この主張を鵜呑みにはできない。これまでより乗り心地の安定感もハンドリングの精確さも引き上げられたが、アテカやT–ロックほどではない。少なくとも、舗装路に限っては。

しかし、対決の場をグラベルや湿った草原に移し、凹凸をいくつか越えれば、XVに乗る方が魅力的だと思うだろう。滑りやすい路面状況でも強力なトラクションを発揮し、Xモードと呼ばれるドライブトレインの電子制御システムとトルクベクタリングがうまく働いて、コントロールしやすく足取りの確かな走りを、ぬかるみでも見せてくれる。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事