ル・マン24時間2018 アストン、ヴァンテージGTEで連覇挑戦 期待のチームや新人も
公開 : 2018.06.16 08:10 更新 : 2018.06.20 10:13
番外編1:期待の新星
なんという成長のスピードだろう。2014年、初挑戦でウィルトンミルクラブ選手権に勝利したフィル・ハンソンは、有望な新人カート選手だった。わずか4年後、まだ18歳のハンソンは、元F1パイロットのチームメイトとして、LMP2プロトタイプカーで2度目のル・マンに挑戦する。
わずか2シーズンでカートを卒業したサニングデール出身のドライバーは、いきなりトックウィズ・モータースポーツからLMP3スポーツカーに参戦するや、アジアン・ル・マン・シリーズのクラスタイトルを獲得した。ハンソンは「F1に挑戦するには100万ポンド(1億5100万円)ものお金が必要になります。ですから、ドライバーとしてのキャリアを積むために、別のルートを進むことにしたのです」と語る。
選択したルートに従い、ハンソンは去年LMP2へとステップアップし、初のル・マンに挑戦することになった。目を見開かされるような経験だったという。「驚いたのはル・マンというレースの規模です。レースウィークよりも、沢山のイベントや、熱狂的なファンに囲まれるレース前の方が大変でした」
去年の経験が、今年のハンソンには助けとなるだろう。さらに、彼は多くを学んでいる。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズのタイトルを目指して、アウディの元ワークスドライバーだったフィリッペ・アルバカーキとともに、ユナイテッド・オートスポーツからエントリーしているが、ル・マンでは、元F1レーサーのポール・ディ・レスタがチームに加わる。一方で、ハンソンはフェルナンド・アロンソとともにデイトナ24時間にも出場している。
チームメイトからも学んでいるようだ。「最初は、ドライビングについてだけ学んでいました。ブレーキングのポイントや、コーナーでの速度といったものです。しかし、いまは別のことを学んでいます。フィードバックの仕方や、チームと協力するということ、自分自身をアピールする方法といったものです」
昨年のル・マン初挑戦はクラス9位で終わったが、ハンソンは積み重ねた経験によって、一歩でも栄光に近づきたいと考えている。「去年の経験が活かせればと思っています」と彼は話す。