駐米スウェーデン大使、貿易戦争終結を呼びかけ トランプ大統領の関税に伴い
公開 : 2018.06.21 19:20
ボルボ初の米国工場のオープンにともない、駐米スウェーデン大使が貿易戦争の終結を呼びかけました。トランプ大統領が輸入車に対し25%の関税を課す方針を打ち出し、それに対して報復関税が検討されるなど、貿易情勢が悪化していることを受けての発言です。
対立を避け関係強化を
ボルボがサウスカロライナ州チャールストンに建設した新工場のオープンにともない、駐米スウェーデン大使が貿易戦争の終結を呼びかけた。
カリン・オロフスドッターはボルボ初の米国工場について、スウェーデンと米国の関係強化の重要なステップと強調した。この工場では新型S60が生産され、欧州や中国へと輸出される。
しかし、その中で彼女はトランプ米大統領が関税を引き上げる意向を示していることや、それに対する欧州の報復関税の可能性について懸念を示した。
「欧州と米国は世界でも最も強固な友人関係であり、世界での問題をともに解決してきました。われわれの関係を悪化させる道を取るのではなく、関係強化を模索すべきです」
トランプは先月、クルマの輸入に対する関税率を25%まで引き上げると宣言した。これは中国が関税を25%から15%へと引き下げる決定をした直後のことだ。
トランプは以前のツイートで、「巨大な貿易不均衡」を改善するため「自由に入り込んで来ている欧州車に関税を課す」と発言した。
欧州で生産されたクルマにとって、アメリカは最大の輸出先だ。昨年は1710億ポンド(24兆8900億円)相当の車両が欧州から輸出され、そのうち25%が米国向けであった。それらのうち、半数強がドイツ車だ。