ヴォグゾールのコンセプトカー設計に参加 デザインの方向性決め
公開 : 2018.07.08 16:10
AUTOCAR(とアダムス)の考える新しいコンセプトカーの概略
ヴォグゾール-オペルの舞台裏の話にはぐいぐい引きこまれた。現代の英独のデザイン様式にそこまでの共通要素があるなどとは思いもよらなかったし、印象的なクルマをこれまでにたくさん生みだしてきたことにしてもそうだ。だがほんとうに創造力を刺激してくれたのは最後の話し合いで出てきた、リュッセルスハイムのデザイナーたちを導く優れた方針だった。
とはいっても、その内容は驚くほど少ない。ひとつは、デザイン部門責任者のマーク・アダムスが最近のヴォグゾール-オペルのクルマに好んで与えている「シグネチャー・ライト」だ。現行のアストラやインシグニアをみてもおわかりのとおり、デイライトとしての機能もさることながらみごとにフロント全体に尖鋭的な印象を与えている。
またボンネットの真ん中を走るラインも、ヴォグゾールが60年守りとおしてきた精密なつくりを暗示するモチーフであり、これからのクルマも反映させるべきだとアダムスは考えている。
彼は透かし紙に描いたフロントデザインのラフスケッチを示してくれた。ボンネット中央を垂直に下りてきた線とヘッドライトを結ぶ水平の線がグリル中央の丸いエンブレムで交差するあたりに、具体的なヒントがありそうにみえた。彼はこの部分がアピールポイントになるだろうといったが、わたしも同感だ。
まだあった。彼はほかのブランドと変わりばえしないいまのグリルデザインに代わってまったく新しいデザインを求めつづけているが、それはPSA傘下となって急速に変わりつつあることの紛れもない証明になるだろう。「われわれの縄張りを確保しないといけません」という。
そして、こちらが彼らがしめす方針にもとづいて、可能なかぎり「純粋かつ大胆」にデザインしてみたDセグメントセダンのスケッチだ。このクルマには、往年のように「V」で始まる名前をつけてみたい。まだいいのが思い浮かばないが、たとえば「ヴィセロイ」なんてどうか? カタいし古臭いか。「ヴェローナ」? ぜんぜん英国的じゃないな。 「ヴィンダルー」? 英国的には違いないけど、このクルマには合わないか。