VW、一部生産停止 WLTPの認可遅れで テスト装置が不足
公開 : 2018.07.01 18:10
より現実に即した燃費計測法(WLTP)の導入に際し、フォルクスワーゲンは8月から9月後半まで、ヴォルフスブルグ工場の稼働を1週間あたり1日から2日停止しなければなりません。ディースCEOは「非常に厳しい」と語ります。一方で従業員側は、稼働停止に対し不満を主張します。
もくじ
ー 週1、2回の操業停止 WLTP適用で
ー 膨大な認可作業 不足する試験装置
ー 保管台数限界 従業員、生産停止反対
ー 販売停止、他ブランドでも M3生産終了
ー 問題は設備不足 遅れで選択肢減も
週1、2回の操業停止 WLTP適用で
フォルクスワーゲンは8月から9月後半まで、ヴォルフスブルグ工場の稼働を1週間あたり1日から2日停止する。
より現実に即した「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)」が適用されるにあたり、当局による排出量テストに予想以上に時間がかかっているためだ。
ロイター通信によれば、ツヴィッカウ工場についても、日によっては操業を停止する予定だ。ただし、操業スケジュールはまだ決定されていない。
膨大な認可作業 不足する試験装置
6月上旬に、ヴォルフスブルグ工場従業員代表委員会との会議が行われた。会議ではフォルクスワーゲングループCEOとフォルクスワーゲン社長を兼任するヘルベルト・ディースが、9月からEU圏内でWLTPが法的拘束力を持つようになるため、1カ月前の8月から、ヴォルフスブルグ工場で一時的に、いくつかのモデルの生産を停止せざるを得なくなる可能性があると述べた。
ディースは委員会に対し、次のように述べた。「フォルクスワーゲンブランドだけで200を超えるモデルが試験を受け、非常に短期間のうちに型式承認を得る必要があります。これは非常に厳しいスケジュールです。現在もテスト装置は実質的に24時間稼働していますし、それはこれからも続くでしょう」
フォルクスワーゲンの声明からは、行われるテストの量は今までのテスト・ルーティンの少なくとも3倍はあり、社内のテスト装置は不足していて、24時間稼働させざるをえない現状がわかる。