フェラーリを買い漁る男 なぜ「ジャンク品」買った? 「乗ってなんぼ」の精神とは

公開 : 2018.07.01 10:10

フェラーリを何台も所有しているスコット・シバーズは普通のひとが買ってはいけないようなフェラーリも購入します。テスタロッサをベースに屋根を切り、外装は未仕上げの「ラタロッサ」と名付けられたこのクルマに試乗してみることができました。

もくじ

ラタロッサとは
ラタロッサ購入の経緯
未仕上げの外観が好みに
8台のフェラーリを所有するスコット
普通のひとが買わないフェラーリを
ラタロッサの走りは?
想像以上にしっかりとした走り

ラタロッサとは

屋根を切り取られたフェラーリテスタロッサ。打ちっぱなしのコンクリートのような塗装は下地のまま。おしゃれな服を着た大金持ちが年に一度しか乗らない、跳ね馬の紋章が目立つピカピカのロッソ・コルサ・フェラーリに対する一服の清涼剤。スコット・シバーズのクルマである。興味深い意見を持ったフェラーリ・オーナーだ。

「赤のフェラーリも何台か持っていますが、好きな色じゃありません。それに、見せびらかすために運転するんじゃないんです」と彼は言う。「わたしの日常の足は黒の360チャレンジ・ストラダーレです。8年間で8万km走りました。これで買い物に行ったり、子供を学校に送ったりしています。クルマなんて乗ってなんぼです」

彼のテスタロッサ、あるいはラタロッサ(「リサイクル自動車」を略した「RAT」という言葉から彼はこう呼ぶ。表面がサビたスプリットスクリーンのフォルクスワーゲン・タイプ2のようなクルマがRATだ)は、フェラーリに対するスコットのフィロソフィーの究極的表現である。

グレーのボディはざらざらと波打ち、エンジンカバーは危なっかしく、細長い金属製の補強材がサイドシルとシートの間から顔をのぞかせ、Aピラー周辺やシート後ろのレザートリムは、ギフトの包装のようにきっちりしている。

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