フェラーリを買い漁る男 なぜ「ジャンク品」買った? 「乗ってなんぼ」の精神とは
公開 : 2018.07.01 10:10
普通のひとが買わないフェラーリを
ここまで出来た訳は? 「普通のひとが買ってはいけないフェラーリばかり買うんです。履歴書がいい加減だったり、色が悪かったり、仕上げが終わっていなかったり。こういうクルマは比較的安く買えます。わたしはこういうクルマの問題を解決して売って儲けるんですよ。儲けはコレクションに注ぎ込みます」
しかし彼の買ったクルマがすべて「孤児」な訳ではない。「430スクーデリアは純潔でしたね」と彼は言う。「3か月で売って2万5000ポンド(366万円)儲けました。これに3000ポンド(44万円)を足して、すぐに左ハンドルのF355を買いました」
時とともに、スコットはスパナを持った天才となった。彼は独学だが、タイミングベルト交換のためにエンジンを下すことを除いて、できないことはほとんどない。彼はいつもインターネットでクルマの売買や部品や技術的アドバイスを探している。
スコットが次にラタロッサにすることは、ステアリングとフロントサスの手直し、エンジンの完全なメンテナンス、それにキャビンの化粧直しだ。スポーツエグゾーストも取りつける。作業にはすべて純正パーツを使う。最後の仕上げとして、彼はエンジンが新品に見えるように細部まで磨き上げるつもりだ。
スコットがコレクションを売ってまで欲しいフェラーリはあるのだろうか? 「あります、F40です。毎日運転するのはこの1台だけです。こいつを買うために抵当を増やしたらどうかと前の妻に提案したことがあるんです」