リンダ・ジャクソン シトロエンCEOの1日に密着 英国女性自動車人賞
公開 : 2018.07.07 08:10 更新 : 2021.03.05 21:43
ジャクソンの1日
7:40 パリ西部
パリ西部、緑にかこまれたジャクソンの自宅アパート。ダークブルーのC4カクタス1.2ℓが、仕事へ向かうご主人さまをお待ちかねだ。街中で持てあまさない適度なサイズはもちろん、ときに変わった折り返し点もあるでこぼこの通勤路でもソフトな乗り心地もあいまって、カクタスは彼女のお気に入りだ。
紅茶を飲みながらメールチェックに余念がない彼女。いちばんうれしい英国みやげは、PGティップスの紅茶とマーマイト(ビール酵母食品)だそうだ。
運転好きで知られるジャクソンは、会社へも自分で運転する。それは彼女の主義でもあるが、顧客についてより理解するためでもある。実用重視の飾らない身なり(フランス人の特徴としてはまず真っ先には挙がらないだろう)と鍛えぬかれた外交手腕も、つとに有名だ。
8:00 雨のパリ市内
あい変わらずの土砂降りだ。地下鉄の駅には水があふれ、いつもは歩きの子どもたちもクルマで学校へ送ってもらっている。通勤するひとびとも同様だ。
そうして道がクルマであふれかえったおかげで、PSAのヴェリジー技術センターへのクルマで30分くらいの道のりに倍以上かかった。ジャクソンは秘書のシルヴィー・デインズ(「彼女がわたしの生活をにぎっているの」と言う)に電話で30分遅れるとつたえると、パリ市内を運転するコツについて話してくれた。
言葉づかいこそ穏やかだったが、要は「お行儀など気にせず、とにかく前へ進め」と言うことだった。たしかに、まわりをみても頷ける。
これからの1日ずっと、さまざまな話し合いが待っている。どれも大事な話ばかりに思えるが、彼女に緊張の様子はうかがえない。今日の仕事の後は業績うわ向く中国へ業務視察に飛び、金曜の朝にはとって返して自宅でシャワーをあびたらそのままいつもどおりの仕事につくというのにだ。