2018フォード・フォーカス 初試乗 運転の楽しさ健在
公開 : 2018.07.04 10:30 更新 : 2018.07.04 10:30
全グレードに充実の装備
負荷の低い状況では気筒休止機構もはたらくが、切りかわりは感じとれなかった。6段MTもスムーズに操作できる。よくできたMTはみなそうだが、レバーを各ポジションから半分ほど抜けばあとは仕込まれた重りの力でニュートラルへもどっていく。思いのままに操れそうな気にしてくれるのだ。
とはいえ、一番の売れ筋になりそうなのはもう1台の126ps版1.0エコブーストだ。あいにくこちらのグレードはタイタニウムで、トーションビームとなるリアサスペンションの出来は1段落ちる。乗り心地は十分快適なのだが、上下動は大きいし節度もすこし失われる。ただフォード技術陣によると、STラインより10mm車高が高い「ノーマル」サスペンションも一因だろうとのことだ。
ともあれ良いことに変わりはないし、実力としてはクラストップをうかがえる。だが上級のヴィニャーレやワゴンが採用する、より洗練されたしつけの独立式リアサスとの関連は、文字どおりにも比喩的にも薄い。アダプティブ・ダンパー装備車については、また改めてテストしてお伝えしたい。
これだけ良いところずくめでも、じっさいのところはフォードのいうように「ドライビングの楽しさだけではクルマは売れません。(通信技術が)ちゃんと備わってなければ、一顧だにされません」なのだ。言い添えれば、もちろんフォードも本腰は入れている。すべてのグレードに高いレベルの予防安全装備がつくし、車線維持機能だって標準だ。携帯電話の画面をミラーリングして映しだせるタッチパネルがつかないのもベースグレードだけだ。