空飛ぶ三輪車「リバティー」初試乗
公開 : 2018.07.07 16:10
空飛ぶ三輪車「リバティー」
最も有名なオートジャイロはリトル・ネリーである。ジェームズ・ボンドの映画「007は二度死ぬ」でショーン・コネリーが飛ばしたヤツだ。基本的に揚力を与えるローターブレードと推進力を与えるリアのプロペラを持っている。ヘリコプターと異なり、ローターブレードはエンジンで駆動されない。ローターは機体が空気中を進むことによって回るのだ。
したがって離陸のためには地上でローターを回転させ、十分に回転したところでエンジンから切り離すことが必要だ。リバティーはふたつのエンジンを持っている。飛行にはふたつとも使われるが、地上ドライブに使われるのはひとつだけだ。
見ればわかるように、地上を走るためローターを畳んだ状態ではリバティーは非常にトップヘビーである。「そうなんです」とPAL-Vのヘッド・トレーナーであるジョージ・ティーレンはいう。「非常にトップヘビーなので、低速で曲がってもひっくり返ることがすぐわかりました」解決方法はちょっとずるい。
というかオランダ流だ。カーヴァーというリーンするクルマを覚えているだろうか? 2000年代初期にオランダで設計されたクルマだ。PAL-Vはカーヴァーの特許を購入し、そのシステムをリバティーに組み込んだのだ。空飛ぶ傾く三輪車。
わたしは興味をそそられた。とても興味をそそられたので、わたしは自分の飛行機でPAL-Vがパイロット訓練を行っているオランダのブレダ空港に飛んだ。不便なことに空港は本社事業所からはクルマで1時間ほど離れているので、ティーレンがクルマで迎えに来てくれた。トヨタで。社屋は印象的だ。フォーミュラ1チームの建物を小さくしたような代物である。