ブリヂストン・ポテンザ新タイヤ「S007A」 ドライウェット・コース/高速・一般道を試す
公開 : 2018.07.06 12:10 更新 : 2018.07.06 15:25
ドライ/ウェットは?
テストコース内ではドライとウェットのハンドリング路で滑らせた状態からの回復まで試してみた。どちらも滑り出しでの急激なグリップダウンは少なく、回復も早く穏やかである。急激なグリップ変化がないのは心理的には安心であり、操縦面では修正のタイミングや操作量の厳しさを減らす。精神的なストレスも高いウェット路ではその恩恵も一入だ。
ただ、設計要点として語られている高剛性の「ケース」やブロックだけが、この特性をもたらしたとは言い難い。どちらかと言えば変形を抑えるだけでは接地面圧中心の移動が大きくなり、ピーキーな特性になりやすい。S007Aが示した特性は、横力やスリップアングルの変化による接地面圧中心の移動が少ないタイプのもの。接地性の安定が素晴らしい。
「高剛性ケース」だけじゃない
これについて開発陣に尋ねたところ、サイドウォールは横力を受けた時にトレッド面接地角が大きく変わらないように屈曲部を設定。つまり、ケースはリンクサスのように作用する設計なのである。大きな横力を受けた時にも中央部の接地圧抜けを予防するため踏面のクラウンRを強めにしているとのこと。
コンパウンドは硬め、かつ摩擦力の高いものを用い、ブロック剛性とグリップ力を両立させているという。S001からの進化はこういった工夫によってもたらされたものであり、それがグランツアラー向けのトップエンドたる性能をもたらしたわけだ。