ヤナセ・クラシックカー・センター開所 百年企業が示す価値ある旧車の創造とは
2018.07.05
「ヤナセ物」消費の時代にヤナセがレストアをする意義とは
ヤナセといえば103年の歴史を持ち、わが国のモータリゼーションの黎明期よりビュイックやキャデラックの輸入販売を開始。また、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツ、オペルといった欧州車の日本におけるインポーターを長らく担ってきた。
日本人の感性や価値観に合わせた献身的ともいえる車両の改善や細やかなサービスは、同社が輸入・販売・整備を手掛けたクルマに対して、中古車市場においても安心と高品質の証として「ヤナセ物」という別格の付加価値を持たらせるまでに至った。
実はヤナセおよびそのグループ企業では従来より旧車のレストアを手掛けていたのだが、それはあくまでも通常の顧客サービスの一環であった。事業として専門の施設/組織を立ち上げてというのは初めてのこととなる。
「ハイクオリティな輸入車ライフ」の同義語ともいえる鉄壁のブランド、ヤナセ。その伝説とも謳われるクオリティを支えてきた現場スタッフの技術力の高さや国内外に構築された部品調達のルートなど、同社がこの100年、輸入車に注ぎ込んできたノウハウを活かしてのクラシックカーのレストア事業参入なのである。
クラシックカーのレストアにおいてはクルマとしての機能維持は当然ながら、「どこで(誰の手で)・どのように」レストアしたのかという事実は、そのクルマの価値を決める重要なポイントとなる。そういった意味ではヤナセは、その「資格」がある企業であり、そうすべき「義務」もまた、有しているといえるだろう。
それが近年、多くのプレミアムカーのメーカーが社内にレストア部門の設立、レストアされたクラシックカーへの認証を行うようになってきた理由でもある。ヤナセがレストアしたクラシックカーもまた「ヤナセ物」と憧憬を持って迎えられる時が来るのかもしれない。