比較試乗 高級4ドアクーペ対決 メルセデス・ベンツCLS vs ポルシェ・パナメーラ

公開 : 2018.07.07 10:10

ポルシェとメルセデスがモーターアシストつき高級4ドアクーペのタイトルを争います。車重がありすぎるせいで乗り心地やハンドリングに難があるパナメーラに対し、速さと運転の楽しさでは後塵を拝するCLSが全体的な完成度で勝利をおさめました。

もくじ

48Vハイブリッドを採用するCLS
よりハイブリッド重視のパナメーラ
やや硬めの乗り心地
オールラウンダーのCLS 安全装備も多数
CLSの十分なパワー 大迫力のパナメーラ
好戦的なV6 車重がネックに
全体的な完成度はCLSに軍配
テスト車のスペック
お買い得な4ドアクーペたち

48Vハイブリッドを採用するCLS

排ガス不正問題でドイツ政府に25万台にもおよぶリコール命令を突きつけられたばかりのメルセデス。今度は排気量に関係なく省エネになるという電気じかけの「ディフィート・デバイス」を槍玉にあげるのかとお考えかもしれない。

だが、そんなよこしまなことを企んでいるのではない。このメルセデス・ベンツCLS450 4マティックAMGラインの直6エンジンと9段ギアボックスのあいだに収まるスターター兼用の発進用モーターが、加速性能だけでなく燃費にも貢献すると謳われるからだ。これがもし、スロットルレスポンスがなまくらで巡航時も触れ込みより余分に燃料を燃やすと言うのであれば、たしかにインチキ装置だが。

ともあれ、48V電装系によるマイルドハイブリッドシステムは近い将来、形はどうであれ当たり前のものになるだろう。メルセデスでは先刻Sクラスで「EQブースト」として初採用されたばかりで、この3代目CLSが2モデル目になる。いま走らせているCLS450のEQブーストは急加速時に25.4kg-mのトルクを流しこみ、巡航時にはスロットルオフでエンジンを止めて空走させることができる。

この手の技術は全体としてクルマの汎用性をあげるために考え出されたものだが、また競争に勝ちぬくためでもある。たとえば、アウディはSQ7でターボラグを隠すためのいわば電動スーパーチャージャーとして、またベントレーは車重2.4tにもなるSUVのベンテイガで前後のアクティブスタビライザーを十分に動かす力の源として、それぞれ48Vシステムを採用した。

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