比較試乗 高級4ドアクーペ対決 メルセデス・ベンツCLS vs ポルシェ・パナメーラ
公開 : 2018.07.07 10:10
オールラウンダーのCLS 安全装備も多数
すこし着座位置の高いシートはCLS専用で、今回から3座となった後席にも形状が反映されている。コクピットを取り囲みセンタートンネルにも張りめぐらされた木目パネルは、550マラネロを思いださせる。さらに空調吹き出し口の発光グリルは、送りだす風の温度に応じて色が変わるという念の入れようだ。
プライバシーガラスとメタリックペイントのほかに、オプションがふたつついている。3895ポンド(57万円)のプレミアム・プラスと、1695ポンド(25万円)のドライビング・アシスタンスプラスパッケージだ。前者はフル仕様のコマンドオンライン・インフォテインメントシステムと590Wのブルメスター・サウンドシステム、スマートキー、サンルーフにくわえ、先代より全方位に拡大したボディにはありがたい360°アラウンドビューモニターがつく。
後者はありとあらゆる安全装備のセットだが、死角をモニターするアクティブブラインドスポットアシストのように役に立つものもあれば、車線逸脱を防止するアクティブレーンキーピングアシストのように、NCAPで星半分を稼ぐのに必須とはいえ実際役にたつかどうか? というものもある。とはいえ、このクラスともなれば標準でついてきてもいいのではないかという気もするが。
滑らかで曲がりくねったA479号線へと舵を切るころには、乗り心地への懸念こそあったが「あざとい見た目の家族用移動車」などとおとしめる理由はなくなっていた。クリックホーウェルから北西へ針路をとり、緑あざやかなウェールズへやってくると、こういう道でこそオールラウンダーとしてのこのクルマの価値が際立つことがわかる。