ロードテスト レクサスLS ★★★★★★☆☆☆☆
公開 : 2018.07.29 10:10
10年以上の時を経てフルモデルチェンジを果たしたレクサスLSが、今回のロードテストのお題。日本を代表するクルマにまで成長し、世界の高級車市場にも影響を与え続けたLSの新型は革新的ですが、テスター陣は高級車として足りないものがあることを指摘しています。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術
ー内装
ー走り
ー使い勝手
ー乗り味
ー購入と維持
ースペック
ー結論
はじめに
初代LSは、いまや伝説的な存在となっている。レクサスは今後、それを超えるインパクトを持ったモデルを発売することが、おそらくはできないだろう。1989年にLSが登場する以前、トヨタの高級ブランドであるレクサスは存在していなかった。そして、LS誕生直後、欧米のライバル各社の間では、このクルマに関する話題で持ちきりだった。なにしろ彼らは、手に入れたLSをさんざんいじくり倒し、テストし、挙げ句の果てには分解までしてみたが、この高級サルーンがいかにしてこれほど洗練され、細部に至るまでスキなく組み上げられているのか、ほぼ理解できなかったのだから。
古豪ブランドが自身をじっくりと見つめ直す原因になったという意味で、初代LSは高級車の世界に変革をもたらしたといえるだろう。では、今回も同じことは起こるだろうか? 業界を困惑させた初代からおよそ30年を経て登場した5代目は、再び業界に変革をもたらすような高級車となり得るのだろうか。今回のロードテストの焦点はそこにあり、その答えを示してくれるのはおそらく最上級機種となる、ハイブリッドユニットを積んだLS500hプレミアだ。
新型LSは、メーカーがレクサスとは何か、そして彼らが何をしうるのかという認識を改めたいと望んで送り出したクルマだ。その説明を引用するなら、LSは「レクサスを象徴」するだけでなく「高級車の新しい基準や価値を提案」し「お客様の想像を超えるクルマでなければならない」のだということになる。そして、いかなるフラッグシップもそうであるように、メーカーの名声を次の10年ほども確固たるものとするべく、柱のように揺るがない、いわば走るマニフェストでなければならない。
そうあるためにレクサスは、4つの軸を設定した。それは挑戦的なデザイン、ほかにはない日本の匠によるクラフトマンシップ、独創的で先進的なテクノロジー、そして気持ちよいパフォーマンスである。
この4つの軸は、このクルマの成功を図るのに好都合な基準だ。果たしてレクサスはその目標を達成し、高級車の期待値を超えることができたのだろうか。