ロードテスト レクサスLS ★★★★★★☆☆☆☆
公開 : 2018.07.29 10:10
結論 ★★★★★★☆☆☆☆
「重要な点で競争力に劣るわけではないが、ほかより魅力的とはいえないのがLSの習い」
5代目となったLSで、レクサスはそのフラッグシップサルーンに、これまでと異なる個性を与えた。それは大胆な決断で、結果として生まれたのは、目を引くデザインと内装の独創的な素材使いが特徴的な、大型高級サルーンに新鮮さを求める顧客層にアピールする特異なクルマだ。
しかしながら、テスト結果を熟考すると、高級車としての魅力には疑問が残る。これは比較的重く、しかしそれを苦もなく扱うには不適当なパワートレインを積んだクルマだ。また、必要以上にハンドリングは優れているが、乗り心地は要求水準に達していない。先進技術は満載されているものの、操作が複雑すぎると感じられ、ドライビングへの集中が妨げられることがしばしばある。
大型サルーンに限って比較すると、新型LSはトップ5に食い込めなくても、その差はわずかだ。しかし、フラッグシップカー全般を対象に、この上なくラグジュアリーなクルマを探しているなら、10万ポンド台の出費をおすすめできるものとはいえない。
担当テスターのアドバイス
リチャード・レーン
レクサスのインテリアを手作業で仕上げる熟練の職人は「匠」と呼ばれるが、その敬称を得るためのテストは折り紙で、利き手と逆の手で90秒以内に猫を折れなければいけないのだという。
マット・ソーンダース
LSのヘッドアップディスプレイは、これまで見たことがないほど表示が込み入っている。一般的な速度とナビゲーション情報を表示するだけでなく、危険を察知すると黄色い矢印が点滅する。役立つことはもちろんあるだろうが、気が散る要因にもなりうる。
オプション追加のアドバイス
ラグジュアリーグレードの後輪駆動がおすすめ。あとは、インテリアのレザーに合うボディカラーを選ぶだけ。実にシンプルだ。
改善してほしいポイント
・もっと使いやすいインフォテインメントシステムを。入力デバイスがどうにも曖昧で、運転に集中できない。
・乗り心地とハンドリングのバランスの再考を。特に前者の改善が望まれる。
・世界最高のハイブリッド・パワートレインを搭載してほしい。それ以外に、このクルマにマッチするメカニズムはない。