ルノー・メガーヌRS初試乗 カップシャシー仕様 最大の長所はシャシー 

公開 : 2018.07.10 10:10  更新 : 2018.07.10 11:20


ハンドリング以外の魅力もほしい

しかしクルマに慣れスピードも乗ってくると、本来の素質どおり、極めて鋭くバランスを保った状態でタイトコーナーを縫うように、スムーズに走らせることができる。読者が想像できるであろう、どんな優れたフロントドライブのホットハッチよりも、ハンドリングは勝っていると思う。

4輪操舵システムを最もダイナミックな設定にするには、ドライビングモードをレースか、任意に設定できるパーソナルモードにする必要がある。通常は50km/h前後までのところが、100km/hまで、リアホイールに逆位相の制御が入るように変化し、われわれ好みのホイールベースが短く感じられる設定になるのだ。

その俊敏さはむしろ、感覚に慣れるまでオーバーステア気味にすら感じられるほど。これをエキサイティングと取るか、不安定だと取るかは、個人の好みによるところが大きいだろう。わたしは、すぐに慣れて、そのエキサイティングさを楽しめた。

その一方で、メガーヌをRS化するために付加されたパーツ類は、ありきたりなものばかりで、話題にできるものは少ない。

車内のレイアウトも、人間工学的には素晴らしいといえないし、デザインも一部のホットハッチのように高級感を感じられるものでもない。シートに腰掛けると、ペダル付近の空間はやや余裕に欠け、ステアリングコラムの調整幅も不足気味だと思う。画面が縦長に備え付けられたRリンク2と呼ばれるインフォテインメント・システムも使いにくく、操作に気を取られがちだし、グラフィックも優れているとはいいにくい。

ドライバーズカーとして、ハンドリングの魅力以外の側面にも期待するなら、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIやゴルフRなど、ほかのモデルを選択することになるかもしれない。

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