ルート66:忘れられたハイウェイ アキュラNSX試乗記 前編

公開 : 2018.08.05 11:40  更新 : 2018.08.05 12:32

イリノイ州シカゴを出発

アメリカのクルマ旅行にはアメリカ車だ。わたしとカメラマンのルックがいるシカゴから近いオハイオ州メアリースヴィルにあるNSXの工場で、クルマを受けとった。「近い」とはいったが、4時間かかるのだ。英国なら、サンダーランドからハートフォードシャーへクルマを取りに行くようなものかもしれない。こちらではカーブをひとつ曲がるくらいのノリだ。

NSXは、もちろんあえてのことだが、マクラーレン570GTポルシェ911のような性格のクルマではない。英国で乗ってももちろんいいのだが、大きすぎる幅と立ち振る舞いはお国事情には合わないきらいもある。

さて、別稿の工場取材のあと、夕暮れせまる凍りつかんばかりに寒いイリノイ州シカゴから、われわれの大陸横断の旅ははじまった。

本来のルート66の85%はいまだに走ることができる。旅行案内本によれば、くまなくたどると1カ月もしくはそれ以上かかるというが、われわれは8日間で走りきる。われわれは東から西へ向かうが、それはルート66の再評価の道筋でもあるからだ。新天地を求めるひとびとは西へ向かったし、イリノイ州で干ばつが相次いだ1930年代には(シカゴや遠くニューヨークでも砂塵が降ったという)何百万人というひとびとがはるばるカリフォルニアをめざしたのだ。

シカゴを抜けると道は郊外道路らしくなり、そしてハイウェイとなった。2時間後、日が落ちる前にドワイトまでやって来た。

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