ルート66:忘れられたハイウェイ アキュラNSX試乗記 後編

公開 : 2018.08.05 16:10

ロサンゼルスに到着

そうして標識も徐々に少なくなり、ロサンゼルスの街へ入っていくとルート66の終わりは静かにやってきた。高層ビルの谷間をぬけて西へ行くと、サンタモニカ大通りにぶつかる。ここにかつてルート66の終点を示す標識があったのだ。

もっとも、今はないというだけのことだ。数年前のこと、利にさといロサンゼルス市は伝統なんてくそ食らえとばかりに、標識をサンタモニカ埠頭へ移したのだ。だが彼らが特殊なのではない。みんなルート66に利をもとめる時代なのだ。

さて、今回の旅は実りあるものだっただろうか? そうとも。もう1度アメリカをクルマで横断するなら、たぶん別の道を走ると思う。最初か最後だけルート66にするかもしれない。英国でボーンマスからヘイリング島〜ボグナー〜ブライトンと南海岸をたどっただけでさもイングランドのすべてを知った気になるのと、じつは似たようなものなのかもしれない。

だがアメリカで目にしたたくさんのものはどれも、アメリカそのものなのだ。いまニューヨークにいるとしても、はるかルート66の終点までの旅を頭にうかべてみるだけでそのスケールは感じとっていただけよう。

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