シャシーにはスポーツとカップ　新たに四輪操舵も

初代の登場から15年が経過し、これが3代目となるメガーヌRSだが、その卓越したハンドリングに対する評価は、ホットハッチ界における羨望の的だった。これまで同様、フロントだけを駆動し、依然としてフロントサスペンションにはストラットを、リアにはビームアクスルを採用しているが、このクルマが積むのはアルピーヌA110と同じく280psを発揮する1.8ℓガソリンターボエンジンであり、6速マニュアルか、パドルシフト付き7速ATのどちらかを選択することができる。しかし、今日ここに連れ出したのは、より素晴らしい出来のマニュアルギアボックスを積むモデルである。

シャシーには、すでにお馴染みとなった標準仕様のスポーツと、オプションのカップシャシーの2種類が用意される。大径ホイールに、固められたスプリング、ダンパーとスタビライザーバー、新型スリッパリーディフェレンシャルを備えたカップ仕様は、英国オーナーのほとんどが選択すると思われ、われわれがテストに連れ出したのもこちらのモデルだ。

どちらのサスペンションセッティングでも、新たな油圧式バンプストッパーが装備され、サスペンションがフルストロークした状態での、ボディとホイールの動きを改善させている（興味深いことに、ルノー・スポールではアダプティブダンパーよりも、こちらの技術がお好みのようだ）。さらにメガーヌでは、ホットハッチとして初めて、ラリースペックのストラットと、四輪操舵システムを採用している。

勿体ぶっているように聞こえるかも知れないが、すでに欧州では数カ月前に公表済みのこのスペックがもたらす走りは想像したとおりだった。ルノーがメガーヌのカップ仕様をサーキット試乗に限定する一方、公道にはスポーツシャシーだけを用意したのは、それぞれの目的を考えてのことだと思っていた。しかし、英国の路上でメガーヌを走らせてみれば、ほどなく本当の理由は別にあったのだということがわかった。

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