ロードテスト メルセデス・ベンツAクラス ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.08.19 10:10

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

乗り味 ★★★★★★★★☆☆

今回のテスト車は、リアサスペンションが上位モデルに備わる洗練されたマルチリンクではなかったが、それが特にマイナス材料となったわけではない。ほとんどの場合、トーションビームの仕事ぶりは立派なもので、内外装が醸し出すプレミアム感を崩すことはなかった。たしかに、17インチのタイヤが踏みしめる路面がスムースなら、洗練性はこのクラスにおいて際立つものがあり、パッシブダンパーは分別あるなめらかな動きをみせる。

スロットルを活発に扱った方が、このA200シュポルトはいい走りをしてくれる。ステアリングは電動アシストで、適度な重さはあるがフィールは乏しい。2.6回転のロック・トゥ・ロックは、引き締まったボディコントロールやロールのタイトなレスポンス、顕著なアジリティなどの恩恵を実感するに十分なほどタイトだ。

そこそこ走らせても、この手のクルマでダンピングが足りないと感じることはまれだが、その先を探ろうとしても、ブリヂストンのタイヤがそれをためらわせる。それは、運動性能におけるこのクルマのウィークポイントで、満足のいくトラクションは得られるものの、コーナリング時の絶対的な横グリップは欠けるのだ。またこのタイヤは、荒れた路面で小さくないロードノイズを発生させ、その他の騒音が遮断されたキャビンへと響かせる。

改善の余地があるとすれば、低速域でのしなやかさと、細かい突き上げの部分だ。低いギアでスピードバンプや路面のえぐれなどを乗り越える際の挙動は、とくにリバウンドがやや不安定だ。そのため、このAクラスは市街地で、より空いてスピードが出る直線路で走るにはストレスなく乗れないクルマだ。とはいえ、そんな批判は重箱の隅をつつくようなものだともいえる。そのほかの部分では、みごとにバランスの取れたハッチバックなのだから。

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