試乗 トヨタ・カムリ欧州仕様 英国人テスターの評価は?
公開 : 2018.07.18 10:10 更新 : 2021.01.28 17:43
チーフエンジニア「官能性を追求」
このシステムの詳細はさておき、カムリがアベンシスの代わりというのは少々無理があるのではなかろうか。米国で年間40万台以上を売り上げるということからもわかるとおり、大柄なのだ。全長4.89mに達し、フォード・モンデオとBMW 5シリーズの中間の大きさだ。1840mmの全幅はモンデオよりわずかに狭いものの、Dセグメントでは最大級だろう。
トヨタのTNGAプラットフォームを採用しており、この最大の特徴は低いエンジン搭載位置と低いダッシュボードにより、重心を下げることができる点だ。高強度鋼をボディ各所に使用しており、Aピラーを細めながらもボディ剛性を高めている。ハイブリッドシステムのバッテリーや燃料タンクは後席の下に搭載している。そしてリアサスペンションはダブルウィッシュボーン式だ。
大型サルーンの運転は得てして退屈なもので、サスペンション構造なんてどうでもいいと思うかもしれない。だが待ってほしい。カムリのチーフエンジニアの勝又正人は、ハンドリング・エンジニアだったのだ。そして彼は欧州で研究開発担当の上級副社長であり、今でもセリカに乗っているのだ。
「われわれはハイブリッドシステムに官能性をもたせたいのです」と彼はいう。ステアリング搭載位置の剛性が「運動性能を実感させることに貢献するのです」とのことだ。欧州仕様は北米向けとあことなるダンパーを装着し、ダンピング、スプリング、アンチロールバー、ステアリングなどのセッティングも異なるのだ。試してみようではないか。