スコダ・オクタビア・エレガンス 2.0TDI CR
公開 : 2013.03.22 17:48 更新 : 2017.05.29 18:40
■どんなクルマ?
第3世代のスコダ・オクタビアは、より長く、より広く、そしてより高価になった。それは、それまでの3ボックス・ゴルフの安いクローン・モデルから、パサートのライバルにまで車格は成長したということだ。ゴルフのライバルはラピードに道を譲り、オクタビアは若干コストが高くなったものの、セグメントをひとつ上にアップグレードしたのである。
MQBプラットフォームをベースに、108mm長くなったホイールベースによりレッグ・スペースに余裕を持たせ、更には590ℓという巨大なトランク・ルームを持つに至った。
トップ・モデルであるエレンガスの価格は25,000ポンド(360万円)台になったかもしれないが、その装備を見る限り5,000ポンド(72万円)相当のお買い得感があるのも魅力だ。エントリー・レベルのSトリムでさえ、DABステレオ、タッチ・スクリーン・マルチメディア・死すmテウ、ブルートゥース・コネクトなどは標準となるからだ。
今回テストしたのは、148bhpの2.0ℓTDIエンジンを搭載するトップ・グレードのエレガンスだ。
■どんな感じ?
キャビン・スペースについては文句のつけようがない。フロントのエルボールームは39mmも拡大されているのだ。また、その新しいキャビン・レイアウトも一貫性が保たれており、バリッとしたデザインだ。
フォルクスワーゲン製の4気筒ディーゼルは充分なパワーを持つ。0-100km/h加速6.2秒というパフォーマンスを持つエンジンは、超燃費志向の1.6TDIよりも遥かに優れている。ゴルフから受け継いだしっかりとしたパワーがそこにはある。
しかし、乗り心地は決して良くない。というのも、オクタビアの全モデルとも、MQBプラットフォームの中では安価なトーション・ビーム・サスペンションを採用しているからだ。17インチ・ホイールとの組み合わせでは、剛性感に欠けるきらいがある。
実際、都市部ではそんなに不快なものではないのだが、凸凹した道ではそれなりの突き上げを感じた。
エンジンは1750rpmで32.6kg-mのトルクを発揮するものだが、そのギアレシオが英国のカミカゼ・ラッシュアワーには向かないようだ。
細かいことを言えば、あとはあら探しになってしまうかもしれない。アイドリング・ストップの時にパワー・ステアリングのアシストが無くなってしまうことが、最たる不満かもしれない。
■「買い」か?
難しい選択だ。ライバルは数台が考えられるだろう。実際、その大きさは魅力だ。しかも、その装備を考えると価格も安い。しかし、ライバルにはモット速いクルマが存在する。今回試乗したエレガンス・トリムになると、スポーツ・トリムのパサートを買うことが出来てしまうのも考えものだ。
更に、大部分のユーザーは99g/kmのCO2排出量をもつ1.6ℓディーゼルを買うことになろう。われわれもそのモデルをおすすめする。
(ニック・カケット)
スコダ・オクタビア・エレガンス 2.0TDI CR
価格 | 23,240ポンド(334万円) |
最高速度 | 216km/h |
0-100km/h加速 | 8.3秒 |
燃費 | 22.2km/ℓ |
CO2排出量 | 119g/km |
乾燥重量 | 1275kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 148bhp/3500-4000rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1750-3000rpm |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |