試乗 メルセデス-AMG GT Cクーペ ライバルにはない古典的な魅力
公開 : 2018.07.20 10:40
どんな感じ?
ライバルにはない魅力
この7000rpmまで回るM178エンジンはやはりとてつもない。ラグは小さく、パワーはリニアでフレキシブル。そして何より周りを気にせず轟き渡る低いサウンドは魅力的だ。
メルセデスで共通のドライブセレクトのロータリースイッチを回してよりアグレッシブな設定にすれば、ひとによってはわざとらしく感じるだろうが、ひとによってはこれだけで購入を決めてしまうほどの魅力がある。
GTは極めて古典的だ。フロントガラスからの視界は狭く、キャビンもコンパクト。スカットルは高く、高グリップなタイヤは、完璧な舗装路ではまるで弾丸かのようにクルマを前方へと弾き飛ばす。GT Cの暴力性と対峙できるほどのライバルは数えるほどしかいない。
このクルマにかかるコストは膨大だが、同じV8を搭載するアストン マーティンDB11に乗っていては得ることのできない感覚が味わえる。
とはいえやはりGTはリラックスして走るにはノイズが過剰で、そのうえさまざまな道を含む試乗ルートでの燃費はわずか7km/ℓだった。燃料タンクは75ℓの容量を持つものの、それでも443kmしか走ることができない。このようにGTは生まれながらのツアラーではないが、Cではこれまでになく納得のいくスポーツカーに仕上がっている。