試乗 メルセデス-AMG GT Cクーペ ライバルにはない古典的な魅力
公開 : 2018.07.20 10:40
刺激的なドライビングフィール
うまくコーナーにアプローチしさえすれば、シャシーが一方に傾き、類い稀なグリップを発揮する。サスペンションはダブルウィッシュボーンで、フロントのネガティブキャンバー角が強められている。このクルマの身のこなしはかなり評価できるものだ(トランスアクスル7速デュアルクラッチトランスミッションをリアに配置することで好ましい重量配分を実現している)。
しかし、ステアリングレシオはセンター付近を過ぎると、依然としてクイック過ぎてぎこちない。とはいえ、AMGはリアのロールについて懸命に対処し、コーナーでのナーバスさは全域にわたって改善されている。
搭載されるV8は2000rpm以下から69.1kg-mを超えるトルクを発生させるので、その気になればいつでもリアをスライドさせることもできる。
しかし、限界を超える前はリアアクスルはあくまで安定した振る舞いを見せる。「ゆっくり進入して、電光石火で脱出する」のがGT Cの流儀のようだ。そして、意外にもこのようなドライビングをするとうまく行くのだ。
感知できないほどわずかなヨーの中でGT Cを思いのままに操るのは難しい。太ももの裏で感じることはできても、修正舵は必須ではないくらいのヨーでは、特にその傾向が強い。本来はもっと大きな動きを好むようだ。その証拠に、ESPのセッティングは許容量が大きい。