テスラ・モデルS 75D 新たなエントリーグレードに試乗 他の追随ゆるさず
公開 : 2018.08.09 10:10
走りは良好 航続距離も問題なし
重量のあるバッテリーが車体中央部の低い位置に搭載されているおかげで、ハンドリングも良い。ステアリングはジャガーほどの完成度ではないものの、手応え、ギア比、正確性ともに欧州スタンダードに沿っている。
コーナーやブレーキング時など多くの場面で75Dの2100kgにも及ぶ車重を感じさせられるが、扱いにくいものではない。ただし、このクルマにひとと荷物を満載したら、それはもはやレンジ・ローバー級の車重である。
モデルSのなかでエントリーグレードであることを感じさせる要素は少ない。短めの航続距離ですら、テスラの充実したスーパーチャージャー・ネットワークがあればそれほど大きな問題ではない。30分ほどのコーヒーブレイクをすれば80%の充電が可能で、それにより300km近い航続距離が稼げるのだ。しかもその充電は英国の場合無料だ。
欠点は? フロア下のバッテリーのせいで、特に後部のフロアが高いことだ。例えばジャガーのIペースは全高が高いため気にならない。
そしてモデルSのAピラーはわたしが記憶する中で最も太いといえる。交差点などでは死角に注意する必要がある。さらに、通常の摩擦ブレーキが貧弱なため、交差点で30km/h程度からの急停止は苦手なようだ。コンベンショナルなシステムほどスムーズに停車することができなかった。