セアト・レオン1.6TDI SE
公開 : 2013.03.23 13:28 更新 : 2017.05.29 18:44
■どんなクルマ?
スペインの自動車メーカー、セアトのニュー・モデル、レオンの中でも最も重要なグレードがこの1.6TDI SEだ。レオンの英国でのセールスのおよそ30%になると予想される。
104bhpの1.6ℓターボ・ディーゼルは、レオンのミッドレンジにあたるが、そのロー・エミッションが魅力だ。また、SEトリムでは、エアコン、ブルートゥース接続、16インチ・アロイ・ホイール、コーナリング・フォグ・ランプ、クルーズ・コントロール、電動ウインドー、オーディオ・コントロールのついた本革ステアリングなどが標準装備となる。
新しいレオンは、旧モデルに比べて50mm全高が低くなっているが、ホイールベースは50mm長い。ブート・スペースとパッセンジャー・スペースは改善されたとセアトはコメントしている。しかし、その実用性ばかりでなく、そのハンサムはハッチバック・スタイルも大きな魅力だ。兄弟モデルであるオクタビアのように、決して実用本位のモデルではないとも言える。
■どんな感じ?
その金額以上のクオリティ、燃費、そして広い室内は確保されている。
しかし、残念ながら150bhp以下のレオンは、このモデルを含めてMQBプラットフォームのうち安価なビーム・アクスル・リア・サスペンションが採用されている。しかし、普通のドライバーにとってはそれはどうでも良い情報かもしれない。エンジンにターボが付いていることも知らなくて良い情報なのだろう。
99g/kmというCO2排出量を誇るエンジンは、経済的であるだけでなく、かなりフレキシビリティ溢れるパフォーマーでもある。ただし、中間のギアのレシオが高く、しかもその間が開きすぎているような気がした。25.4kg-mのトルクは、ボディを引っ張るのに重々しく感じるほどではないが、余裕が感じられるほどではない。同じ排気量のホンダ・シビックは30.6kg-mのトルクがあるので、それと較べるとやはり当たり前のエンジンでしかない。
セアトはこのレオンにもスポーティさを加えるために固いスプリングをチョイスしたが、ダンパーとの調和がとれていないようだ。タイヤのグリップ、ステアリングのレスポンス、そしてハンドリング・フィールなどに良い影響をもたらしているとは思えない。コーナリングは予想よりボディ・ロールは少ないが、路面状況に左右されてしまうことと、ステアリングにダイレクト感が感じられないのが問題だ。
■「買い」か?
レオン1.6TDには深刻になるほど悪い点はまったくない。強いて言えば、キャビンのクオリティぐらいだろうか。但し、もし、あなたが100g/km以下というCO2排出量に惹かれてこのレオン1.6TDIを買うのであれば、すこし待ったほうが良い。今年後半には、更に低燃費でロー・エミッションのエコモーティブ・モデルがラインナップに加わるからだ。
(マット・ソーンダース)
セアト・レオン1.6TDI SE
価格 | 18,490ポンド(266万円) |
最高速度 | 191km/h |
0-100km/h加速 | 10.7秒 |
燃費 | 26.5km/ℓ |
CO2排出量 | 99g/km |
乾燥重量 | 1286kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 104bhp/3000-4000rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500-2750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |