マクラーレン、急成長のワケ 各部門チーフに聞く成功の秘訣 前編

公開 : 2018.08.04 11:50  更新 : 2019.05.04 13:03

本当に難しいのは製造より設計

フォスターは、コンポーネントやサブシステムを時間通り届けてくれる数多くの重要なサプライヤーとともに、マクラーレンは最高の形で業務を遂行していると確信している。彼の考えでは、最も重要なことはF1で培ったカーボンファイバーの技術を活用すること、設計とアセンブリーを完全に掌握することだ。サプライヤーであるリカルドがエンジンを製造しようと考えたことは良かった。「エンジンを製造すること自体はそんなに難しくありません」とフォスターはいう。「本当に難しいのはエンジンの設計なんです」

始まったばかりのころ、フォスターと他の役員は新しい生産センターが必要とする床面積について意見が合わなかった。彼は3万6000平方メートルが必要だといい、3万2000平方メートルまでなら何とか折り合えると思っていたが、何人かの役員は2万平方メートルでいいんじゃないかと思っていた。フォスターは頑として譲らず、結局彼が勝った。

「もしMPC(マクラーレン・プロダクション・センター)が結局大きすぎるということになったら、お前はクビだぞというんですよ」フォスターはニヤッと笑う。「でもわたしはまだここにいます」今年、マクラーレンは、最大5500から6000台の製造能力に対して4000台近くのクルマを製造する。

マクラーレンではロボットではなく技術の高い作業員が塗装を担当する。ロボットブラケットリーは導入されているが、当分の間は人手による塗装をやめるつもりはない。「ロボットが節約になるのは、本当に大量の製造を行う場合だけです」とフォスターは説明する。「それに、本当に技術力の高い塗装工はロボットより塗装が上手なんです。ドアの底など特別に注意して塗装するんですよ」

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