衰えぬ魅力　すぐに走り出せるテスラ

依然としてこのクルマのエクステリアは魅力的であり、素晴らしい出来栄えの17インチ・タッチスクリーンがキャビンを占拠している。モデルSはいまだ孤高の存在だが、欧州メーカーには十分な時間が与えられていたことを考えれば、それが不思議ですらある。キャビンに座ってみれば、Iペースと比較するのが、巨大なMPVのモデルXではない理由が分かるだろう。

ボディ全長はモデルSがIペースより300mmほど長いが、ジャガー伝統の短いオーバーハングによって、ホイールベースはIペースの方が長い。さらには、5人の大人が座ることのできるキャビンのパッケージングも非常に似ている。4人乗車であれば、テスラもジャガーも非常に快適で、両モデルとも前席下には、後席パッセンジャー向けのレッグスペースが確保されているが、5人乗車の場合にはこれほどの快適性は期待できないだろう。

しかし、テスラの場合、その全長の長さを活かしたラゲッジスペースが確保されており、さらに、3800ポンド（55万円）のオプションでトランクに後ろ向きに座らせる折り畳みシートをふたつ設置することもできる。

テスラで素晴らしいのは、乗りこんだ瞬間からすでに走り出す準備が出来ているところだ。キーを回したり、ボタンを押す必要すらなく、少し場違いな印象のメルセデス・ベンツ製ギアセレクターで、「ドライブ」を選択し、軽くガスペダルを踏めば（あくまで比喩的表現だ）、滑るようにモデルSは進み始める。

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