英国試乗 BMW i8クーペ2018年型 フェイスリフトによる進化は
公開 : 2018.07.30 10:10
GT寄りの特性 低速では不快な場面も
実のところ、i8は夢中でB級路を攻めるクルマというよりも、長距離ツアラーの要素が強い。もちろん、i8でコーナーをひとつやふたつ、颯爽と駆け抜けることは容易い。ただ、ステアリングはかっちりとしているものの少々軽すぎるし、コーナーの進入はクイックにできても、結局は215/45の細いフロントタイヤのせいでアンダーステアが発生してしまう。
ただし、ボディコントロールのチューニングは素晴らしい。水平方向のロールは高速コーナーでもきっちりと抑えられ、速度を上げるとしなやかな走りを披露する。一方で低速では細かな振動が目につき、市街地では辛く感じる場面が何度もあった。
ディヘドラルドアを開けるとそこには、好感の持てる整然としたキャビンが広がっている。しかし、11万2000ポンド(1663万円)を超えるクルマへの期待からすると、少々ビジュアル面で驚きに欠けているのは否めない。そして、太いサイドシルをまたぎながら、同時にドアを下へとひきおろすという動作はなかなかにトリッキーで、乗り込むのが難しいという不満が出ても仕方ない。
とはいえ一度乗り込んでしまえば、思い通りのドライビングポジションを取ることができ、固めだがサポート性の高いシートは快適だ。それに、8.8インチのBMWプロフェッショナル・ナビゲーションシステムもよくできている。