どんな感じ？

ガソリン車並みの航続距離とフレキシビリティ

これまでに述べたように、ネキソは専用設計の燃料電池車だ。ヒュンダイによると、ネキソは666kmの航続距離（WLTPサイクル）を実現している。水素の充填には5分しかかからず、これは従来のガソリンエンジン車のガソリン補給にかかる時間よりもほんの少し長いに過ぎない。

重要なのは、ガソリンやディーゼル車と同レベルの航続距離とフレキシビリティを実現しつつ、テールパイプから出るのは無害の水だけであるという点だ。

ネキソにはix35から得た多くの知見やエンジニアリングのノウハウが用いられているが、ハードウェアは継承されていない。燃料電池の構成部品はすべて新規設計で、ヒュンダイが自社で設計し製造したものである。英国での現在の価格では、燃料代は同クラスのガソリン車よりも安くすむようだ。

動力性能は必要十分　電気自動車のようなフィーリング

乗り味は電気自動車とちょうど同じだが、比較的軽量なモーターを搭載している。ボンネットの下で、高度な化学反応が起こっているなどと気づくことはまったくない。従来のEVと何も変わらない穏やかさだ。

典型的な電気自動車の持つ圧倒的な加速力はなく、クルマの流れを引っ張るほどではないが、流れには乗っていける性能を持つ。

ネキソにはエネルギー回生システムも備わっており、回生レベルを選択することもできる。最低のレベルでは全く回生を行わないが、最高レベルに設定すると、ほとんどワンペダルドライブが可能になる。EVやハイブリッドではブレーキの効きが不自然な場合もままあるが、ネキソのブレーキはタッチが一貫していて、効き具合を調整しやすい。

高速道路の速度域ではAピラーのあたりから風切り音が聞こえてきて、まるで窓が少し開いているようだ。しかしその他に気になる点はなく、総じて静かでリラックスできる仕上がりだ。

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