アストン マーティン・ラゴンダを24台所有する男 一体なぜ? ガレージを取材
公開 : 2018.08.11 12:10
80年代らしからぬ操作系 V8アストン同様の走り
1984年式のこのクルマにもブラウン管のデジタルメーターとタッチパッド式スイッチがついていて、どれもちゃんと動くように見えた。だが走りだしてみると、タコメーターは壊れているかのように数字がせわしなく上下する。まあ、クランクシャフトの速度を追ってできるだけ遅れなく正確な数字を出せるようにした結果なのだが。
それにくらべて単位の大きいスピードメーターのぶれはまだましだが、小さなステアリングホイールとそれをにぎる手で隠れにくいはずのメーターパネル右側のディスプレイも、まるで見えないのだ。
とはいえ気にすることはない。室内の眺めは魅力的だし、おなじく繊細なふくらみが魅力的なタッチパッドも、触ってみると思った以上に明確なクリック感がある。アストン マーティンという小さなメーカーがこれほどまでのものを造り上げたことに、驚嘆せざるをえなくなるだろう。
それに比べると機械的要素のほうは、ほかのV8搭載アストンと似かよったなじみ深いものだ。このリムジンに関しては、エンジンは324psではなくチューンの低い284ps版が積まれ、クライスラーの3段オートマティックが標準となる。だがそのシャシーは、長躯から想像する以上にスポーツ性もにすぐれている。はっきりとわかるのは、硬めながら落ちついた乗り心地、とんでもなくダイレクトな操舵感だ。おまけにロールも小さい。アクセルを思いきり踏みつければ、そうとう速く走り回れるクルマだ。