乗り味　★★★★★★★★☆☆

GT2 RSは、路上に出ると911の中でもとりわけワイドであることが実感できるが、同等のパフォーマンスを持つクルマの中ではそれほどでもないので、車両感覚はつかみやすい。とはいえ、後輪が白線を踏み越えないよう、ドアミラーをチェックする機会は思いのほか多い。

一般的な速度域では期待通りの並外れたグリップレベルをみせ、ボディコントロールはその気にさせる精密さと緊迫感を示す。過酷な路面で速度を上げたときのみ、ポルシェが700psを首尾よく安全に使うべくわずかに運動性に施した妥協に気づく。それでも、それとわかるのは、パワーとグリップ、アジリティ、安定性の秀逸なバランスを持つ現行GT3と比較したときのみだ。

ステアリングは直感的に扱えるペースで、素晴らしいタッチとインフォメーションを持つが、前輪のサイズとサスペンションの硬さにより、路面の隆起を越えるときなどには、飛ばしているときにそうあって欲しいより大きくハンドルを取られたりキックバックが起きたりする。

荒れた道での乗り心地もGT3の方が優れているが、それでもぎこちなかったりスプリングが利きすぎたりしたものとは全く違う。後輪のストロークは小さいが、驚くほどしなやかだ。

路面がフラットなら、最適に調整されたグリップレベルが長く続くのを、ハンドリングに感じられる。前輪はGT3ほど強力に路面を捉えないが、後輪は期待以上に高いスタビリティを示す。こちらのグリップはGT3を上回るが、それが失われるときの唐突さも上だ。

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