ジェンソン・バトン レースの虜となった数奇な人生 インタビュー
公開 : 2018.08.12 16:10
贅沢との批判 プレイボーイ扱い
そのフラビオ・ブリアトーレはベネトンのチーム責任者だったが、バトンを奮起させようと(あるいはクビにする下準備のつもりだったのかもしれない)シーズンの真っ最中にもかかわらず公然とこき下ろしはじめたのだ。とくに槍玉にあがったのが、モナコGPに堂々と新しいスーパーヨットでやってきたことだった。
ブリアトーレにしたって、ぜいたく三昧をつくしたり両腕にスーパーモデルをはべらすことなど珍しくも何ともなかったのだが、バトンも言及するように、チームを世界チャンピオンに導くことで名を上げようとしたのだ。バトンは才能をまだ十分発揮していなかったのに、振る舞いはもう一人前だった。そして、その後数年にわたって着せられた汚名はブリアトーレの攻撃のせいだと彼は信じている。
「あのボートはまちがいだったね」とバトンはいう。「もちろん、あのころはあんなものをもつ余裕なんてなかった。身の丈をはるかに超えてたしすぐに手ばなす羽目になったけど、もともとはボートを買ってそれでサーキットに登場したらどうだと持ちかけられたんだ。悪い誘いだったよ」
「あそこからプレイボーイ扱いがはじまっちゃったし、やることなすこと批判の的になったんだ。でも本当はまったく違うんだ。いつもマジメにつきあっている女の子はいたし、パーティも好きだったけど安定した生活も好きだからね。ロサンゼルスで最後に行ったクラブの名前ももう思い出せないくらいだよ。よく友だちと夜通しぶらついたものだけど」