レースへの集中

「でもそれで学んだこともある。人間は物事が思い通りに行かないとき、本能的に理由を探るんだ。フラビオがやっていたことだよ。プレイボーイのように振る舞ったつもりはないけど、よくよく考えたら自分のやっていることに注意を払っていなかったんだ」

「もっとレースに集中すべきだったし、頑張らないといけなかった。でもあっという間に解決はできたよ。もし批判がごもっともだったら、もっと早いうちにに原因を直せたと思うよ」

「スポーツというものの問題は、勝てないとき、まあそんなときが多いんだけど、何が悪いのかずっと気になってしまうことなんだ。でもたまたま巡りが悪いだけか、周りのことが有利に運んでいないだけなんだ。ひと晩で能力がなくなるわけでもないのに、自分とチームで何が良くないのか分析しようとして追いつめていくんだ。プレッシャーははかりしれないけど、ある朝突然自分が変わるわけでもないし、できるだけのことをやるしかないんだ。時間が解決してくれると信じてね」

名誉回復には何年もかかった。ルノーとホンダのワークスチームを経ていったんはウィリアムズに復帰する契約を結んだものの、その後破棄した。これはバトンにとって金銭と体面の両方で大きな痛手となったが（ただバトン自身はF1にいるのはお金のためでなく勝つためだとしごく妥当な主張をしている）、その後はブラウンGPやマクラーレンに在籍した。

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