もしもあのクルマにご先祖様があったなら 11台をイラストで予想
公開 : 2018.08.25 06:10 更新 : 2021.03.05 21:43
1962年型シトロエン・シック(シトロエン・カクタスのご先祖様)
60年代の初め頃のクルマにはもっと冒険が必要だったが、シトロエンだけはそれが当てはまらない。古き良き2CVと前衛的なDSがすでに存在していたのに加え、1961年にはアミ6が登場する。これは2CVがベースの小型セダンだが、2CVよりはやや大きく、より洗練され、造りの粗さは影を潜めていた。
この新型車、ほかとの差別化や実用性の点では、もはや不足はなかった。あとは、エレガントなラインのエクステリアと、新時代のサイケデリックなパターンのファブリックを用いたインテリアとを兼ね備えていれば、センセーションを巻き起こし、パリの路上でひときわ目立つ存在になっていただろう。
それを仮定したのが、このシックだ。まさにアヴァンギャルドなこのモデルが実在したなら、アミに投入するにはコストが掛かりすぎるDSのテクノロジーも、簡素化して採用しただろう。もしくは、アミ6のメカニズムに異なるボディを載せた、シンプルだが高級で実用的なシック6だったかもしれない。それは田舎くささを感じるアミに対し、より大きく都会的な派生モデルとなったはずだ。