BMW M2コンペティション 初試乗 2018年ベスト・ドライバーズカー有力候補
公開 : 2018.08.03 10:10 更新 : 2018.08.03 10:11
速度域を問わず極上の身のこなし
M3譲りのエンジンはフロントにマウントされるが、新しいエンジンと補機類の影響で車重は55kg増しの1625kg。車重を見ると、M2はやはりケイマンのような俊敏性は身につけていないように思えるが、正直にいって、それは関係なさそうだ。
センター付近でのステアリングの操舵感は大幅に向上し、切り込みはじめからリアリティに富んだ感触で、コーナーに進入していける。補強の施されたフロントストラットとボールジョイント化されたリアが、今までにはなかった、極めて高い正確性と明瞭性を生んでいるのだろう。
速度域を問わず、路上での身のこなしは極上で、ついスピードが上がってしまう。エンジンは今まで以上にスムーズに回転し、価値ある小さなドライバーズクーペ、トヨタGT86やスバルBRZ、ケイマンも及ばない。だからといって、常に高回転域を必要とするわけでもない。最大トルクはわずか2350rpmで湧出するから、3速が空いた丘陵地帯の道を飛ばすのには好適。充分な活気を伴って、コーナリングラインを描いていける。
デュアルクラッチATも優れているが、わたしの好みはマニュアル。操作は若干重くシフトレバーのストロークも長いものの、変速自体はスムーズで心地よい。この機械的な心地よさはフェイスリフト後のM2の新たな特徴でもある。