セルジオ・マルキオンネ、何を残した? 功績/名言を回顧 英編集主任のコメントも
公開 : 2018.08.04 10:50
CEO就任 そしてFCA誕生
ウンベルト・アニェッリ会長の死を受け、マルキオンネは翌年CEOに就任している。当時フェラーリのトップを務めていたルカ・ディ・モンテゼモロがフィアット会長の座に就いたものの、この人事を不服としたフィアットCEOのジュゼッペ・モルキオが辞表を提出したため、モンテゼモロがマルキオンネに白羽の矢を立てたのだ。
2009年、マルキオンネは、失敗に終わったダイムラーとの提携の後遺症と、2008年の金融危機の影響に苦しむクライスラーの株式取得によって、フィアット成長の機会を掴もうと考えた。
2009年にクライスラー株の20%を取得したフィアットだが、2012年にはさらに58.5%まで追加取得している。そして、その2年後、残りの株式すべてを買い取ることで、フィアット・クライスラー・オートモビルズが誕生した。この買収劇によって、FCAは北米市場へのアクセスを確保すると共に、グローバル市場で戦う規模を身に着けることができたのだ。
同時に、マルキオンネはフェラーリを分離・独立させたが、独立後も自身は以前と同じ地位に留まっていた。
マルキオンネ主導のもと、FCAは近年成長著しいジープやアルファ・ロメオ、マセラティといった自身が持つプレミアムブランドに注力すべく、SUVなどの新型モデルを開発している。一方、フィアットの苦境は続いており、欧州市場では電動シティカーに特化することになりそうだ。