セルジオ・マルキオンネ、何を残した? 功績/名言を回顧 英編集主任のコメントも
公開 : 2018.08.04 10:50
マルキオンネの後継者
イタリアに拠点をおく巨大自動車メーカーのCEOに、英国人のマイク・マンリーが就任することは驚きをもって迎えられているかも知れないが、ジープとラムで長期にトップを務めたことで、彼はフィアット・クライスラー・オートモービルズのなかでも、最も高い収益性を誇る成功したブランドの舵取りを行ってきた。
エデンブリッジ出身の54歳になるマンリーは、スワン・ナショナルで複数のディーラーを経験することで自動車業界でのキャリアをスタートさせた。その後、レックス・オートセールスへと移ったが、2002年に当時のダイムラー・クライスラーがこの会社を買収したことで、彼はディーラーネットワーク開発の責任者に就任している。
2003年には米国へと移り、2009年にジープのトップとなった彼は、フィアットによるクライスラー買収後もその地位に留まり、2015年にはラム・ブランドの責任者にも就任した。
マンリーのもと、ジープは近年飛躍的な成長を遂げている。セールスは2009年の32万台から、今年は190万台に達する見込みだ。
マンリーが主役となるだろうFCAの次期5カ年計画は既に公表済みだが、彼はその実行にも責任をもつ立場となる。最初の任務は、FCAグループの動揺を抑えることになりそうだ。ジープ欧州部門のトップを務め、マルキオンネ後継の座を争ったアルフレッド・アルタヴィラがその地位を去ったからだ。
ジープも欧州市場では苦戦しており、マルキオンネは昨年この状況を「不十分」だと表現していた。さらに、グループとしては、ハイブリッドやEV、自律運転技術の開発も進めなければならない。そして、グローバル展開を進めるなか、FCAも大西洋を挟んだ貿易戦争とは無関係ではいられないだろう。
マルキオンネはフェラーリCEOと会長も兼務しており、今後5年間はその地位に留まるつもりだった。
63歳のルイ・カミレリが既に新たなCEOに任命されている。カミレリは既にフェラーリの取締役であり、長くフェラーリF1チームのスポンサーを努めているタバコメーカー、フィリップ・モリスの会長でもあった。
FCAの新会長には、ジャンニ・アニェッリの孫であり、アニェッリ家が保有する投資会社のトップを務めるジョン・エルカーンが指名されている。