アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ 初試乗 DB11との違いは

公開 : 2018.08.06 10:20  更新 : 2018.08.06 13:07


812スーパーファストを凌駕する中間加速

フェラーリ812スーパーファストの場合は、脳しんとうを起こしそうな激しい加速力を持ち、80km/hから160km/hまでの加速は、4速でもわずか4.9秒。ただし、812はかなりギア比が低いことは忘れてはいけないけれど。ポルシェ911 GT2 RSの場合、同じ条件での加速は5.1秒となる。

新しいアストン マーティンの場合はどうかというと、チーフエンジニアのマット・ベッカーが教えてくれた数字は、なんと4.5秒。何しろ、91.4kg-mという極太のトルクをわずか1800rpmで発生させるのだ。中クラスのSUVに近い車重にはやや場違いにも思えるようなアルプスの山岳路でさえ、中低速域での加速は十二分に鋭い。もはや、爆発的な加速といえるほど、次元が違う。

DB11が発表された当時から、このエンジンはひとつのランドマーク的な存在になると考えてきた。感嘆の声が溢れるほど良い。奏でるサウンドは時にメロディアスで、時に魅力的な荒々しさと鋭さを持っている。アストン マーティンが特別に仕立てたエグゾーストは、低音と破裂音がやや過剰にも思えるが、正真正銘の音だと思う。

そして、3000rpm以下からレッドラインに向けての回転上昇も、楽しさに溢れている。5000rpm以上では、尋常ではないほどのエネルギーがほとばしり、7000rpmまでストレスなく吹け上がる。

少し残念なのが、トランスアクスル化されたギアボックス。マニュアルモードで変速をすると、ごく稀に、スムーズで滑らかな変速をしてくれない場面があるのだ。しかし、アストン マーティンは当面このトランスミッションを用いることになるだろう。

ただ、今後の100年を見据えて、アストン マーティンが技術面で尽力していることは疑いようがない。パワーステアリングにブレーキシステム、アダプティブダンパー、スタビリティコントロール・システムなどは、DB11の開発に着手して以来、改良を重ね、DBSスーパーレジェーラに搭載されている。

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