アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ 初試乗 DB11との違いは
公開 : 2018.08.06 10:20 更新 : 2018.08.06 13:07
すべての道を喜びに変えてくれる
おかげで調整が煮詰められ、磨き込まれた動作を実現しており、パワフルなことによるドライビング体験と同じくらい、印象深い上質な味わいを生んでいる。
ステアリングの重さは適正で、ダイレクト感も丁度いい。驚くほど自然な挙動を示し、電動パワーステアリングを採用するどんなクルマよりも、路面からの感触は優れている。ブレーキペダルは剛性感があり、効きはじめの踏み心地が良いだけでなく、踏み込むに連れて漸進的に制動力が高まっていく。
このクルマの持つ柔軟性やスタビリティ、レスポンス、ボディコントロールなど、高次元で調和した印象は、表現が極めて難しいが、長距離を移動するグランドツアラーとしては重要な要素だと思う。このDBSスーパーレジェーラは、その稀有なベストバランスを実現している。
またDBSスーパーレジェーラのボディサイズは間違いなく大きいが、路上ではそれを感じさせない。正確性や向きを変える俊敏性などは、スポーツカーに期待するほどのレベル。タイトなコーナーに切り込んでいくと、優れたボディコントロールと確かなグリップ力にも気付かされる。
シャシーのバランスも高く、リアタイヤとリミテッドスリップデフとの関係性も素晴らしい。コーナリングの挙動を味わい深く、コントロール性の高いものにしている。腕利きのドライバーに限らず、どんなひとでも、スロットルステアを実感できるに違いない。
鋭いながらも奥行きも感じられるハンドリングレスポンスに、剛性感だけでなく、優れた減衰力を伴う柔軟なボデイコントロール。考え尽くされたクルマのダイナミクス性能の均衡点は、高速移動を叶えてくれるだけでなく、すべての道を運転する喜びに変えてくれる。