5万ポンド以下で買える新車ベスト50 3位~1位

公開 : 2018.08.12 08:10

2位:フォードフィエスタST

現行車種で、このクルマよりも、使われているパーツ以上の能力を引き出すという、古典的ともいえる高度な技術を体現しているモデルはない。英国のベストセラーカーたるフォード・フィエスタは、単にこれを繰り返してきたに過ぎない。このクルマはフロントに1.5ℓ3気筒エンジンを積み、リアにビームアクスル式サスペンションを搭載しているだけだ。

それでも、走り出せば力強さを感じさせるが、そのすべては素晴らしいチューニングがもたらしている。パワーデリバリー、小排気量エンジンが奏でるハスキーなサウンド、情熱的でスムースなギアシフト。しかし、このクルマの真骨頂はコーナーにある。ここでは、このクルマの何処に秘密が隠されているのかと、ドライバーはその目をもう一度見開かされることになるだろう。

その秘密とは、フロントに組込まれたオプションのリミテッドスリップディフェレンシャルであり、リアの硬く引き締められたサスペンションなのだ。この組み合わせによって、FFモデルに必要なフロントグリップを確保しつつ、ドライビングの楽しみを奪いかねないリアのグリップを調整している。こうして出来上がったのが、シビック・タイプRを含めた現在ホットハッチのなかで、最高のバランスを誇るこのモデルだ。

フォード・フィエスタは、リアのポジションが決まるまで、トレーリングスロットルのままでコーナーに進入し、その後は、コーナー出口の直線めがけ、ディフェレンシャルを頼りにアクセルオンするような運転を楽しむためだけに生まれてきたモデルだ。

もちろん、このクルマも完ぺきではない。トルクステアが不足気味だし、ブレーキペダルの剛性が足りず、そのフィールも改善の余地があり、ステアリングの感触ももっと硬い方が好みだ。それでも、こうした点を踏まえても、フィエスタは素晴らしいドライバーズカーであり、バーゲンプライスの実用的なスモールハッチだと言える。

そして、フォード製ドライバーズカーの伝統はこのクルマにももちろん受け継がれている。ベースモデルのST-1が掲げる18995ポンド(276万円)というプライスタグは、ルノープジョーフォルクスワーゲンといった主要なライバルたちを下回り、このクルマを現行スモールハッチのベストというだけでなく、ベストバリューなモデルにもしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事