ロードテスト フェラーリ812スーパーファスト ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2018.08.12 10:10  更新 : 2018.08.17 14:36

 

はじめに ▶ 意匠と技術 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

内装 ★★★★★★★★☆☆

ドライビングポジションは、スーパーGTクラスの基準に照らしてみても低く、寝そべって座らされるもので、ドライバーの正面にはアナログの回転計が据えられ、左右にカラーのデジタルディスプレイが備わるレイアウトともども、F12から継承している。ステアリングホイールはデザインに多少手が加えられ、すでに混雑気味だったスイッチ類がさらにふたつ増えている。ひとつは音声操作、もうひとつは電話操作のためだ。ウインカーやヘッドライト、ワイパーといった使用頻度の高いスイッチは拡大され、ブラインドタッチで探り当てるのがやや容易になった。

幅広いダッシュボードは、やや傾斜が強く彫りが深くなった印象で、F12では3つあった中央のジェットノズル的造形の送風口がふたつに減った。マイナーチェンジでは珍しく、効果的なデザイン変更を実現したといえるだろう。その下へ目を向けると、カーボンのセンターコンソールのボリュームが削減されていることに気づく。トランスミッションとハザードライトのスイッチが設置されるブリッジもスリムになり、その下へ小物などを置くのが容易になった。キャビンは広いが、収納スペースは少ない。ただし、ドアポケットには財布や携帯電話、ドリンクのボトルなどを置くことができ、使いやすいカップホルダーも用意された。

こうしてみてくると、フェラーリは期待した以上にエルゴノミクスや使い勝手の面へ力を入れてきたのだと思われたのだが、それもキャビンに日光が差し込むまでだった。ダッシュボードに華を添える鮮やかなイエローのレザーのアクセントがフロントウインドウに写り込み、視界を妨げて集中力を削ぐことこの上ない。オプションでよかった。

そこは目をつぶって、ナビに目的地を打ち込んだのだが、初めて使うと5分経っても終わらない。やはり、フェラーリにとって使い勝手の優先度は低いらしい。

812の荷室スペースは、F12と大差ない。大きなスーツケースならひとつ、それより小ぶりの旅行カバンならふたつは呑み込むラゲッジルームと、シート背後一対の固定ベルトが付いたシート背後の十分なサイズがあるシェルフが備わる。小旅行には十分な実用性があるといえるだろう。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事