BMW M5コンペティション 試乗 25ps増強 標準M5を超える上質さ

公開 : 2018.08.10 10:10  更新 : 2018.08.10 12:35


度肝を抜かれる良さ

しかし、これはスポーツカーではない。この表現はあまり好きではないのだが、あくまでも、いうなれば「スポーツサルーン」だと思う。この巨体はいかんともしがたいが、クルマの発するノイズやレスポンスは、明らかにライバルよりも優れている。

中にはBMW M5よりも、メルセデス-AMG E63の方が優れているという意見もあるだろう。わたしは、BMWの方がより快適で柔和で、多角的に考えると極めて有能なクルマだと思っている。しかし、AMG製のV8エンジンが奏でるノイズは、魅力的なことも確かだけれど。

そして、この競争にBMWはコンペティション仕様で再度参戦することとなった。

今回われわれは、コースの半分がコーナーで構成されている、気温の高いロングサーキットと、その周りを囲む、狭く荒れた路面の一般道の、2カ所でテストを行った。M5には好適と思われる、広大に伸びるアウトバーンや、ドイツの丘陵地帯に広がる郊外の道ではない。以前試乗したM2コンペティションは、どちらもピッタリだったのだが。

さてのその感想だが、極めて素晴らしかった。もちろん、サーキット走行のためのクルマではないことはわかっているけれど、度肝を抜かれるほどの良さだった。

M5コンペティションのように、1900kgを超える車重を持つ5人乗りで、激しい加速と減速を繰り返す、6周のサーキット走行を楽しんだあと、まるで買い物にでも出かけてきたかのように、平然とピットレーンに戻って来れるクルマは、ほかに思いつかない。

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