BMW M5コンペティション 試乗 25ps増強 標準M5を超える上質さ

公開 : 2018.08.10 10:10  更新 : 2018.08.10 12:35


輝きを増したパフォーマンス

試乗車には、オプションのカーボンセラミック・ブレーキディスクが装備されていたが、一般道中心で乗るのなら、必要性は感じない。7000ポンド(100万円)もするし、いかりを下ろすような激しい減速は可能でも、お腹をすかせた子豚のように、制動時にはキーキーと鳴くのだ。

ただし、0-100km/h加速を3.3秒でこなす激しいサルーンを減速させるのには、途方もない熱量が必要だが、フェードには充分耐えることのできる容量は備えている。

一般道での走行には、歓迎すべき変化もある。乗り心地の快適さが増したのだ。調整式のダンパーは、コンフォート以上の設定では硬くなっているのだが、乗り心地は悪化していない。M5コンペティションのボディの動きはシャープさに磨きがかり、収束も速い。クルマの動き自体も速く感じられるようになった反面、トゲのある印象は穏やかになった。

そして、M2コンペティション以上にM5コンペティションで印象的だったのは、荒れた路面を通過した時。アダプティブダンパーが素晴らしい仕事をこなし、ボディをほとんどフラットに保ってくれる。

ステアリングのレスポンスやシャープさも一枚上手。ステアリングホイール自体は同じだが、キャンバー角が増え、車高が低められ、サスペンションも硬くなっており、フィードバックの面ではそれほど変化はないものの、充分な正確性と確かな重さを感じることができる。加えて、まるでアルピナのような、緻密なフィーリングと好ましいセルフセンタリング性も身に着けている。

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