日産リーフで挑戦する3つの山頂 制限時間は24時間 2018年は成功なるか?
公開 : 2018.08.11 10:10 更新 : 2018.08.11 10:56
カギは充電出力 疲れもピークに
求められるのは忍耐よりも集中であり、まるでこの辺りのパブがスコットランド名物のハギスを他の料理に紛れ込ませるかのように、新型リーフは易々と他のクルマに混じって流れに乗るのだ。さらに、いくつかの設定を持つ回生ブレーキシステムが、走行条件に応じたエネルギー回収を可能にしている。
最初の2回の充電は、グラスゴー周辺のコース上にあるシェルの充電ステーションで行った。午後6時過ぎに、誰も使用していない充電ステーションに辿り着くことができたのだが、そのInstavoltの充電スポットは真新しく、売店の女性も、このステーションを実際に使用しているのを見るのはわれわれが初めてだと話していた。まさしく真っ新だったのだろう。
171kmを走破したあと、リーフが示す航続可能距離は109kmだった。予想した7.2km/kWhよりも良好なエネルギー効率のお陰で、バッテリー残量も36%と、われわれのストップ&ゴー作戦には十分な量を残している。プラグを接続して、非接触式のクレジットカードを読み込ませると充電が始まる。
続いて起こるのは現実とは思えない。バートとわたしが水とツナサンドを夢想していたことではなく、充電プラグを抜くと、リーフが示す航続可能距離は159kmに増えていたのだ。まさにこれが50kW充電の威力であり、技術の進展が350kW超急速充電器を実現するのもそう遠くはないだろう。
とはいえ、高速道路上の次の充電ポイントを探さなければならないという現実問題がある。リーフに乗って113km/hで巡航するのは驚くほど快適だが、バッテリー残量は恐ろしい速さで減っていくことになる。スコットランドからイングランドまでの距離や、ゆっくりと走る連結式ローリーのスリップに入っていたせいかも知れないが、本日ふたつ目の頂上を目指す前に、3回目の充電が必要になった。
省エネ走行を続けたあと、丁度20%のバッテリー残量でM6号線にあるトッドヒルズのサービスエリアに辿り着くことができたのは、個人的には今回の旅のハイライトと言ってもいい瞬間だった。
それでも、スカフェル・パイクへの到着が、午前1時6分と予定よりも遅れたのは、われわれの接近を完全に無視して路上を占拠していた羊の群れを避ける必要があったからだ。新型リーフの革シートに座って過ごした9時間と、厳密な充電作業によって、疲れ切っていたこともあるが、まったくのわがままのせいで、事態は悪い方向に進んでいた。