マクラーレン・セナ シャシーナンバー001は特別 「納車記念の旅」に同行
公開 : 2018.08.19 08:10
驚異的なソリッド感 驚異的なノイズ
すべてのマクラーレンに共通するカーボンファイバー製タブの形状と強度は変更されたうえで、その他の多くのカーボンファイバー製パーツとともにセナでも使用されており、その驚異的ともいえるソリッド感に何ら変わりはない。
セナのキャビンに余計なものは何もないが、すべてが剥き出しというわけでもない。ダッシュボードとインテリア表面は完ぺきに編み込まれたカーボンファイバーで覆われ、これまでで最高のインテリアをもつP1と比べれば、残念ながら豪華さが足りないように感じされるが、それでもそのフィニッシュは素晴らしい。
ドアの開閉もマクラーレンらしく滑らかで、セナの拡大されたボディと小さなリアビューパネルの不便を補うために、ドア下部にはガラス製パネルが取付けられており、これはとりわけ、極端に幅広のボディをもつセナを駐車する際には、大きな助けとなるだろう。
このドア下部のガラス製パネルは、90%のオーナーが選択する人気オプションだ。さらに快適装備のオプション設定もある。ナビゲーション、ステレオ、そして、マクラーレン広報によれば1台を除くすべてのセナが選択したエアコンといったものだ。
セナよりもキャビンが暑いクルマはあるだろうが、このクルマのうるささは半端ではない。わたしが運転するイエローのセナにはカーペットが敷かれ、多少は効果を発揮しているが、このキャビンで感じるのは、間違いなくこのクルマはサーキット向けだということだ。
ドライビングポジションはまさにマクラーレンのロードカーそのものの、長く、低く、ストレートなものだが、調整幅の少ない円形のステアリングホイールは、手触りの悪い、古くて軽過ぎるラケットのようでもある。頑丈で深さのあるカーボンファイバー製タブのフィールは、アルミニウムやCFRP製フレームの自転車に乗ったことがあればおわかりだと思うが、ハッキリと硬く、ノイズをそのまま伝えてくる。
コンクリート路面では、まるでそれ自体が音響チャンバーになったかのようであり、さらにセナが履くタイヤはロードノイズなどまったく気にしていないばかりか、ほとんどのマクラーレンがそうであるように、タイヤリム内部には充填剤まで詰まっている。