プジョーRCZスポーツTHP200
公開 : 2013.03.27 18:26 更新 : 2017.05.29 19:01
■どんなクルマ?
プジョーRCZ GTクーペは、その車両価格よりもずっと高級に見えるクルマだ。2、3日ドライブをすれば、そのパフォーマンスやハンドリングが取り扱いやすくことがわかるはずだ。RCZの大きな長所のひとつは、本当にその楽しさをイージーに享受できるということなのだ。
しかし、ひとつだけ注意しなければならないことがある。それは衆人の目だ。そのスタイル故に、じっと見つめられることが多いのである。それに慣れるには、ドライビングに慣れるよりも時間を要するかもしれない。
■どんな感じ?
RCZは2010年にデビューして以来、英国とフランスではヒット作となった。旧モデルの”カエル口”を一新したことで、更にRCZは美しいクルマになったと言えよう。
われわれがテストしたのは、最上級のパフォーマンスを備えた197bhpを発揮する1.6ℓターボ・ユニットを持つTHP200GTだった。メカニカルな面はほとんど変わっていないが、そのドライビング・フィールはいまなお素晴らしいものがある。試乗したモデルには、ショート・ストロークのギア・レバーと小さなステアリング・ホイールを持つスポーツ・パックが付けられていた。
2000rpm以下から気前の良いトルクを発揮するパワー・ユニットは、1400kgに満たないボディには充分だ。確かに、新しい208や308はもっと軽いボディを持つ。しかし、0-96km/h加速7.6秒、最高速235km/hというパフォーマンスに不足を感じることはない。
エンジンは滑らかで優雅で、街中では有用な広いトルク・バンドがあり、トップでは力強い感じがする。ハンドリングもしっかりとしたもので、フロント・ドライブの典型的なフェール・セーフなハンドリングだ。気をつけなければならないのは、その幅が大きいため、剥き出しのアロイ・ホイールを縁石にぶつけないようにすることぐらいだろう。
問題があるとすれば、DABラジオが装備されていないことだ。特に英国ではそれは受け入れられないものだろう。
これは問題ではないが、リア・シートは完全に子供用だ。リア・シートでは屋根の低さも気になる。しかし、ドライバーのためのポジションはファースト・クラスを約束してくれる。また、リア・シートを畳んでしまえば、逆に大きなブート・スペースが現れるのだ。
■「買い」か?
エレガントなフロント・ビューが、それまでのエレガントなシェープに組み合わさったRCZは本当に美しい。しかも、そのパフォーマンスはバリュー・フォア・マネーだ。より高価なアウディTTにも対抗できうる存在だ。
プジョーではこのRCZをスペシャルな1台と呼んでいるが、それは実に正しい呼び方だ。
(スティーブ・クロプリー)
プジョーRCZスポーツTHP200
価格 | 23,980ポンド(344万円) |
最高速度 | 235km/h |
0-100km/h加速 | 7.6秒 |
燃費 | 14.9km/ℓ |
CO2排出量 | 155g/km |
乾燥重量 | 1394kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ |
最高出力 | 197bhp/5800rpm |
最大トルク | 28.1kg-m/1800rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |