英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット
公開 : 2018.08.18 12:10
雇用減少も始まる
自動車メーカーの雇用はすでに失われ始めている。エレズミーア・ポートのヴォグゾール、ソリフルのジャガー・ランドローバー、サンダーランドの日産だ。どの程度がブレクジットのためなのか、あるいはディーゼルの販売減少や単なる市場変動のためなのかは盛んに議論されているが、不吉なタイミングではある。
「ブレクジットによる悪影響で会社の利益は年間12億ポンド(1750億円)失われ、深刻な雇用消失の恐れがある」JLRはブレクジットを非常に懸念しており、普段はあまり発言しないラルフ・スペス社長も先月このように警告している。「われわれは英国に残りたいのです。でもビジネスを続けていくことができないなら、工場を閉鎖しなければなりません。とてもとても悲しいことです」彼はフィナンシャル・タイムズにこう語った。
ジャガー・ランドローバーは他の多くの企業と同じくディーゼル問題で打撃を受けている。「自動車市場にとって大問題です」とベイリーはいう。「政府はこの問題に関わり切りです」
今年の上半期、ディーゼルの需要は30%減少し、販売に占める割合は3分の1にまで落ち込んだ。2011〜2014年のピーク時から半分以下になったのだ。ジャガー・ランドローバーの英国での売り上げは90%以上がディーゼルであり、新型車の発売があったにもかかわらず、2018年上半期の需要の落ち込みは9%と見込んでいる。
英国自動車メーカーの団体である自動車製造販売協会(SMMT)は、政府に最新のクリーンディーゼルへの支援を要請するとともに「ディーゼル=汚い」という一般の理解を変えてほしいと訴えている。